概要

秋田県立大学の渡部諭教授を研究代表者とする研究開発プロジェクト「高齢者の詐欺被害を防ぐしなやかな地域連携モデルの研究開発」は、秋田県立大学、青森大学、慶應義塾大学医学部、京都府立医科大学の共同プロジェクトである。平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)の戦略的創造研究推進事業「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築研究開発領域」に採択された。

本プロジェクトは、近年増え続ける高齢者を狙った詐欺被害から、高齢者自身が自らを守るため、セルフディフェンス力を向上させることを目的とする。そのために、心理学・医学の学術的知見をもとに開発したプログラムを高齢者に提供し、自らの弱点を認識させ、詐欺に対して備えさせる必要がある。本プロジェクトは、高齢者が自分で判断能力の評価を行うことができるシステムの提供を、新しい詐欺被害防止策として提案する。

平成29年10月1日から3年間を研究期間として、社会資源の異なるフィールドに適した地域連携ネットワークを構築し、研究開発を推進することとしている。

このプロジェクトの目指すビジョンは以下の通り。

健常高齢者のセルフディフェンス力の向上により、自分の資産を詐欺被害から守り、豊かな生活のために使うことができる。

認知機能低下高齢者のセルフディフェンス力の向上により、地域コミュニティで金銭搾取のない生活ができる。また、専門サポーターの継続的活動により、認知機能の低下が原因の詐欺被害を防止できる。

実装フィールドでの専門サポーターの育成により、地域の中で活動する人材を確保し、個々の高齢者へのきめ細やかなアウトリーチができる。

ICTの利用及び認知機能データベース構築により、社会資源の利活用が進み、オーダーメイドの詐欺被害予防ができる。アイテムバンク構築により、詐欺脆弱性の予測が可能になる。

これらのことから、中長期的には地域連携ネットワークの構築手法が確立し、全国的展開が可能になり、詐欺被害以外にも、高齢者や子供の日常におけるリスク管理や被害予防に応用できる。また、警察とも協議し、本プロジェクトの成果を加害者側への働きかけにも活用するなど、多面的展開が可能となる。

図:「間」にしなかやな紐帯を構築する


実施体制

図:実施体制図


ロードマップ

平成29年度

  1. 健常高齢者用の詐欺脆弱性質問紙の作成
  2. 認知機能低下高齢者用の詐欺脆弱性検査の実施
  3. 詐欺脆弱性判定ツールの運用及び改良
  4. 地域連携ネットワークの構築
  5. 政策提言

平成30年度

  1. 健常高齢者用の詐欺脆弱性質問紙の作成
  2. 認知機能低下高齢者用の詐欺脆弱性検査の作成
  3. 詐欺脆弱性判定ツールの運用及び改良
  4. 地域連携ネットワークの構築
  5. 政策提言

平成31年度/令和元年度

  1. 詐欺脆弱性判定ツールの運用及び改良
  2. 地域連携ネットワークの構築
  3. 政策提言

令和2年度

  1. 詐欺脆弱性判定ツールの運用及び改良
  2. 地域連携ネットワークの構築
  3. 政策提言